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ASEAN首脳会議に出席するため、ラオスの首都ビエンチャンに到着した石破茂首相=2024年10月10日午前4時16分、内田光撮影
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 石破茂首相は10日午前、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席するため、ラオスに到着した。日ASEAN首脳会議とASEANプラス3(日中韓)首脳会議に出席する。11日までの滞在中に、中国の李強(リーチアン)首相や韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領らとの首脳会談も予定している。自民党総裁選で繰り返し訴えていた持論の「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」創設の訴えは、今回の一連の会議では封印する考えだ。

 首相は出発前の9日夜、記者団に「これまで築いてきた日本とASEANとの信頼関係を一層強化したい」と強調した。持論であるアジア版NATO創設については「党内でも議論が煮詰まっていない段階だ。そういう議論をこちらから提起するつもりはない」と語った。

  • 【そもそも解説】石破首相はなぜラオスへ? 安倍氏もアジアに、初外遊を深読みすると

 首相の初外遊は、衆院解散後の10日午前0時すぎに政府専用機で羽田空港を出発するという異例の日程となった。27日投開票の衆院選を前に外交でアピールする機会だが、政権発足直後で準備期間も短い中での外交デビューとなり、今回の初外遊でどこまで「石破カラー」を出せるかは見通せない。

 首相が今回の一連の会議で持論のアジア版NATO創設の訴えを封印することを決めたのは、中国との関係も重視する東南アジア諸国が否定的な反応を示す可能性が高いことを想定したからとみられる。首相は7日の代表質問でもアジア版NATO創設について「一朝一夕で実現するとは思っていない」と説明していた。

 首相は今回、一連の会合を通…

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